起立性調節障害

起立性調節障害

小学生から高校生の思春期前後の小児にみられることが多い起立性調節障害の説明、当院での治療方法をご紹介いたします。

起立性調節障害

起立性調節障害は小学生高学年から高校生にかけて多くみられる自律神経失調症の一つで、近年増加傾向の疾患の一つです。この疾患は骨折などのように見た目で何か問題が起こっているかを判断することは難しいため、学生だと「さぼっている」「ずるしている」などと周囲からの理解を得る事が難しい面があります。また、午前中は症状が出ていても午後になると徐々に落ち着いていく症状の特徴もそのように思われてしまう一因になっているようです。特に午前中に頭痛やめまいといった身体症状や朝起きることが出来ない等の症状が現れるため、学校生活にも支障が現れてしまいます。小児よりも軽度に症状が現れる事が多いですが、大人になっても影響を受けてしまう事もあります。ここでは、起立性調節障害について・当院で行っている起立性調節障害への治療方法などをご紹介いたします。

起立性調節障害とは

自律神経分布図 自律神経は交感神経と副交感神経を状況に合わせて働かせながら様々な体内のバランスを保っています。その中には血圧も当然正常に保つ働きがあり、立ち上がる時には交感神経が働き末梢の血管を収縮させることによって脳への血流を保つように働きます。しかし、何らかの原因によって立ち上がった時にこれらの働きが正常に行えず下肢に血液が溜まってしまい心臓への還流血液量が減少してしまうと心臓の拍出量も低下してしまいます。そのため、脳への血流量が低下しやすくなりめまいや頭痛といった症状が引き起こされやすくなります。この状態を【起立性調節障害】と診断されます
 小中学生の平均血圧は、最高血圧が90前後・最低血圧が60前後といわれています。しかし、起立性調節障害の場合には最高血圧が80以下・最低血圧が50以下と低血圧が認められます。朝起きれない・朝起きた後に頭痛や吐き気、めまいが起こる等の症状が引き起こされるため、通学が出来なくなってしまう方もおられます。ご本人もしんどいですが、保護者の方も通学が出来なくなることによって焦られている事が多いです。

起立性調節障害の症状

小児のめまい 人によって様々な症状が現れますが代表的な症状としては、朝起きれない(起こされた記憶もない)・めまい・頭痛・吐き気・倦怠感・腹痛などの症状が挙げられます。起立性調節障害の大きな特徴は朝の起床時が症状のピークでそこから時間が経つにつれて徐々に症状が治まり、夕方や夜にかけては症状が落ち着いていくことです。そのため、徐々に昼夜逆転の生活リズムになってしまう方も多く、その結果として不登校になってしまうケースも少なくありません。
 症状は春先などの気温が上がる時や季節の変わり目の変動が大きいタイミングに悪化してしまう事があります。また、天候も気圧の変化の影響を受けて低気圧の時に症状がより現れやすいと感じる方もおられます。

・朝起きることが出来ない(起こしても反応がなく、本人には起こされた記憶もない)
・夜の寝つきが悪くなる
・起床からめまいがする
・起床時から頭痛がする
・夕方以降は何事も無かったかのように動ける
・まれに立ち眩みやひどいと失神することがある
・乗り物酔いしやすい

こんな事には要注意!

春先や季節の変わり目

 気温が上がると血液循環が良くなるイメージをもたれている事が多いです。実際にも体表の血管が拡張するため、血液循環は良くなります。しかし、自律神経のバランスが崩れていると血流の調節が出来ないため、血流が上がった時にコントロール出来ず重力の関係で足元へと血液が溜まってしまうようになります。その結果、頭部への血液循環が悪くなってしまい起立性調節障害のように起き上がりに脳への正常な血流が確保できず様々な症状がいつも以上に引き起こされやすくなります。特に春先のように気温が上がっていく時は要注意です。近年では冬場でも夏日があったりするため、そのような時にも注意しなければいけません。

不良姿勢

 やはり悪い姿勢は良くありません。日常生活では下向きで何かをすることが多く、近年ではスマートフォンやパソコンの影響で姿勢が悪い方が非常に多いです。この姿勢ではどうしても首周辺の筋肉の緊張なども作られてしまい、余計に頭への血液循環が悪くなってしまう要因を増やしてしまうことになります。下向きの姿勢が続くような時には注意して、こまめに動かすなどして対策してください。

寝る前のスマートフォン操作

 起立性調節障害が継続すると朝起きる時間が遅くなっていく分、夜眠れなくなることが増えていく方が非常に多いです。その結果、完全なる昼夜逆転の状態となり、改善にさらなる時間がかかるようになってしまう事も少なくありません。夜眠れなくなるとされることが多いのが、スマートフォンを見ることです。姿勢の悪さも作りますが、寝る前の光刺激によってさらに眠りにくい状況を作ってしまいます。そのため、寝る前にスマートフォンの操作をすることはおやめください。

 

当院での起立性調節障害に対しての治療

起立性調節障害治療 一回 6600円
(初回は、自律神経バランス測定検査料を含めた4400円が別途必要となります。)

 

鍼灸治療 当院での起立性調節障害治療は、東洋医学的鍼灸治療と交流磁気治療を選択し行っております。
自律神経に対してのアプローチ、頭部への血液循環の改善などを治療の基本として改善を目指します。鍼治療を行う部位は、頭部・首・肘先・膝下・腹部で、その時々で初回時に自律神経バランスを測定し、自律神経の乱れがあるのか?乱れているとしたらどのようなバランスになっているのか?を確認いたします。自律神経バランスの乱れ=副交感神経を働かせたら良いと思われる事が多いのですが、人によってバランスの乱れ方が異なります。それぞれ合った方法の治療内容で症状の改善を目指します。当院で行う自律神経バランス測定は、指尖式心電図を用いた方法で痛みなどが伴うことはありません。ご安心ください。
 起立性調節障害は整体療法での改善は難しいと考えており、治療初期では基本的に鍼治療となります。