「できれば頭位に戻ってほしいな」と病院からの指導で逆子体操を頑張っておられたり、インターネットで情報を検索し出来る対策を頑張っておられたりされます。しかし、妊娠中のためどこまでしていいのか?何をしてはいけないのか?そもそもどうして逆子になったのか?など心配は尽きないと思います。ここでは、当院が考える逆子についての東洋医学的な見解を含めてご説明いたします。治療を受けられる際の参考になれば幸いです。
逆子の原因は西洋医学的にも東洋医学的にも完全に判明している訳ではありません。逆子になった際にこのような問題を持つ方の割合が多かったという程度です。西洋医学では、胎盤の位置・へその緒がまいている・子宮筋腫をお持ちの方という点があげられています。東洋医学でも体質的な問題点がいくつかあげられており、その点についてご紹介いたします。一つだけが原因となっている事もありますし、複数が影響し合って逆子になっていると考えられております。
気と血が不足している場合の状態を気血両虚と言われ、妊娠の際には起こりやすい状態とされます。気と血が不足している事によって赤ちゃんの回る力を弱らせてしまう可能性が考えられています。気血両虚の方の特徴は、体型的にやせ型の方であったり、息切れしやすいといった症状が認められたりすることが多いです。
脾虚が起こることによって湿邪が停滞してしまう事があります。その結果、赤ちゃんが回ろうとする動きの邪魔をしてしまいます。脾虚の方の特徴は、身体の重だるさやむくみ、食欲不振といった症状が現れやすく、またふくよかな体型の方が多い傾向にあります。
気が滞り肝鬱気滞となり、赤ちゃんが回りにくい環境が作られてしまいます。気滞の方の特徴は、胸苦しい感じやお腹の張りでの苦しさ、疲労が溜まっている方が多いです。逆子になっているという事も重く受け止めストレスの要因となってしまう事もあります。
寒つまり冷えが足元から起こることによってどんどんと下腹部が冷やされてしまいます。下腹部に冷えがあると赤ちゃんが冷えから頭を守ろうと上に頭を持っていき逆子の体勢になってしまいます。寒邪実盛の方の特徴は、妊娠以前より冷えを感じている事が多いです。また、夏場にクーラーで冷えやすい環境にいたり、冬場でも薄着で冷えを感じているような場合にも逆子になりやすいと言われています。
寒邪実盛のように冷えることによって逆子になりやすいと言われているため、冷え対策をすることが大切であると考えます。特に足元に冷えが起こることが一番の問題と考えているため、出来るだけ足元を冷やさないようにケアしてください。例えば、締め付けない温かい靴下を履いたり、足元を動かすようにしていただくことも冷え対策となります。ただし、汗をかくほどの冷え対策はかえって良くありませんのでご注意ください。
脾虚の方や冷えがある方などに影響する運動不足も解消しておく必要があります。無理矢理でも動かすことによって冷えやむくみの解消にも繋がり、赤ちゃんに回りやすい動きを与えることにもなります。ただし、医師から安静を言われていたり、動くことによってお腹の張りが強くなりすぎる場合には無理は禁物です。可能な範囲で歩いたりして動かすようにしてください。
逆子治療 一回 3300円
当院では、逆子のお悩みに対して東洋医学的鍼灸治療を行っております。東洋医学的な原因を一人一人の体質を診ながら判断し、それらの要因を取り除くことによって赤ちゃんがまわりやすい環境作りを行います。お灸だけ・鍼治療だけの治療院もありますが、当院では鍼治療と灸治療の両方を組み合わせて行います。治療を行う部位は、肘から先・膝から先の末端部分で行います。いつから逆子治療をしたらいいのか?とご質問いただくことがありますが、当院では27~35週目が最も適していると考えお答えしております。それまでの週数ではまだ余裕があり赤ちゃんが自然と回ってくれることもあります。しかし、30週目を超えてくると赤ちゃんも一段と大きくなるため動けるスペースが狭くなってくることもあり、治療は27週目前後のできるだけ早期に始めることでその分回ってくれる可能性は高いと考えます。(37週目以降になると赤ちゃんの動きが陣痛に繋がる危険性もあり治療をお断りさせていただくことがあります。ご了承ください。)