グロインペイン症候群

グロインペイン症候群

鼠径部の痛みを引き起こすグロインペイン症候群についての紹介ページです。症状や原因、当院での治療方法についてご説明いたします。

グロインペイン症候群

あまり耳にすることの無い疾患名ではありますが、鼠径部に痛みが引き起こされる代表的な疾患がグロインペイン症候群(鼠径部痛症候群)です。スポーツをされている方の発症率が高いですが、日常生活での姿勢や動作によっても引き起こされることがある疾患です。スポーツをされている方であれば継続が難しくなったり、日常生活でも痛みのため歩行に支障をきたしてしまったりと様々な問題が現れるようになります。

グロインペイン症候群とは

グロインペイン症候群の原因 グロインペイン症候群は別名「鼠径部痛症候群」とも言われます。足の付け根前面を鼠径部と言いますが、ここに痛みが現れる疾患です。グロインペイン症候群の問題としては筋肉の問題がまず第一に挙げられ、腰椎から起こる大横筋、骨盤の内側から起こる腸骨筋が合わさり鼠径部を通り大腿骨内側に付着します。これらの筋肉を腸腰筋と言いますが、この筋肉は骨盤を挟んで上下を繋いでおり股関節の動き、つまり足を動かす時などに重要な役割を担っています。しかし、何らかの原因によってこの筋肉の柔軟性が失われることによって鼠径部で恥骨とぶつかり摩擦が起きてしまうことが痛みの要因とされています。多くの場合で鼠径部に痛みが現れますが、人によっては下腹部・大腿部内側など筋肉の走行経路に痛みを感じるケースもあります。股関節付近に痛みを感じることもあるため、股関節の問題と間違われることもあり、「痛みがどこに現れているか?」は重要な診察のポイントになります。

 

 基本的には、スポーツをしている時などの運動時に痛みが現れる事がほとんどです。特にサッカーのように蹴るような動作が続いたり、ダッシュのように足をあげる動作が続いたり場合には痛みが現れやすいです。しかし、慢性化したり悪化したりすると日常生活でも痛みが現れるようになり、起き上がりや立ち上がり、普段の歩行や階段をあがる動作などの股関節が動かされるタイミングで痛むようになることもあります。グロインペイン症候群の場合、痛みが一度現れるとしつこく続いてしまったり再発率の高い疾患とされています。

原因

スポーツ

 腸腰筋の主な役割として股関節の屈曲(足をあげるような動作)があり、その動作が繰り返されることによって腸腰筋の筋緊張や恥骨部との摩擦が引き起こされます。スポーツの中でもサッカーのようにボールを蹴る際に足をあげる動作が続く競技で特に発症率が高いと言われています。グロインペイン症候群を発症したことによって引退に追い込まれる選手がいるほどです。
 また、それ以外にも短距離選手のようにダッシュで足をしっかりあげながら走るようなフォームやトレーニングで足をあげる動作を続けて行っているなども腸腰筋の負担がかかるため発症するケースがあります。

姿勢

 グロインペイン症候群は反り腰の方にも発症することが認められます。反り腰とは、腰椎の前彎が強く尚且つ骨盤が前傾している姿勢です。この状態において腸腰筋は常に緊張状態となり、結果恥骨との摩擦が起こりやすくなってしまいます。反り腰は一見良い姿勢のように見えるため、特に腹筋が弱い女性の方は腰を反らせるようにして良い姿勢を意識されている事があります。良い姿勢を意識する事は大変すばらしいですが、腰を反らせるようにしている場合には良くない姿勢と言えます。グロインペイン症候群が発症した際には、まず痛みの軽減が最優先事項ですが、反り腰が認められた場合には再発予防のためにも反り腰解消をする必要があります。

妊娠中の方

 これは姿勢の項目である反り腰にも繋がるのですが、妊娠中の方も鼠径部に痛みを感じる事が多々あり、その原因として反り腰による問題が挙げられます。妊娠後期になってくるとお腹がどんどんと大きくなり、バランスを取るために腰を反らせて歩く方が増えていきます。その体勢と同時に赤ちゃんの重さも加わるため、股関節・骨盤周辺にかかる負担は相当なものになります。もちろん腸腰筋も負担がかかり、グロインペイン症候群が発症することがあります。

当院でのグロインペインの治療

グロインペイン治療 一回 5500円

 

 鍼灸治療当院では、グロインペインに対して鍼治療を第一選択とし治療を行っております。痛みに影響する代表的な筋肉が腸腰筋ですが、この筋肉は深部に位置しているためマッサージや整体で腸腰筋の緊張を改善させることは困難です。そのため、当院では治療初期は痛みの改善を目的に鍼治療にて筋肉を緩めることを行います。
 その後、整体で姿勢を整えることで今後再発を予防する身体のバランス作りを行うこともあります。当院で行う整体療法はバキバキとさせるような事は、行っておりません。ご安心ください

セルフケア

アイシング

 腸腰筋と恥骨との摩擦によって炎症が引き起こされる事が考えられるため、グロインペイン症候群が発症した場合には痛みが現れている部分に対してアイシングをしていただくことが初期には重要になります。氷嚢や保冷剤など、もしこれが冷たすぎればタオルを水で濡らした物を用意していただき、痛みが現れている部分に当ててアイシングするようにしてください。スポーツをされている方であれば運動後にはしっかりと、日中でも痛みが現れている場合にはこまめにアイシングをしていただくことをオススメします。

ストレッチ

 腸腰筋の柔軟性が失われる事が最も危険な状態を引き起こすため、ストレッチをして出来るだけ硬さを残さないようにケアすることも大切です。腸腰筋のストレッチ、腰周辺の全体敵なストレッチなど、股関節周辺を念入りにストレッチするようにしてください。ただし、ストレッチをしていて痛みを感じるような事があればストレッチ後に一旦アイシングをするようにしてください。